3月5日 予算特別委員会

○委員長(田中邦友) 
 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き順次質疑を承ります。
 次に、新しいすみだの質疑を行います。

◆委員(井上ノエミ) 
 まず、248ページの中学の教育振興費に関連して伺います。
 今回教育委員会にお願いして、区内の全ての中学の標準服とかばん、体育服、上履きの販売価格と主な販売事業者を調べていただきました。資料35です。これを見ますと中学に入学のときに高い学校で6万5,000円、安い学校でも5万5,000円ぐらい掛かります。コロナの状況下で多くの区民が経済的に大変な状況になっています。食べていくだけでやっとの区民も多いと思います。この状況で子どもの中学入学に5万円、6万円を出さなくてはならないのは本当に大変だと思います。少しでもこの金額を少なくするために学校任せではなく、教育委員会にはリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 まず、この資料を見ると、男子の詰め襟が一番高いのは堅川中学校で3万4,650円します。安いのが墨田、両国、本所中学校で2万8,600円です。6,000円も差があります。
 女子のセーラー服では両国中学校が一番高くて3万5,750円ですが、堅川中学校では3万250円で5,000円違います。また、女子のブレザーの場合は吾嬬第二中学校で3万5,640円ですが、錦糸中学校では3万910円です。4,730円違います。なぜ金額にこれだけ差があるのか、まず伺います。

◎学務課長(西村克己) 
 詰め襟、セーラー服、ブレザーについてのご質問がございましたので、お答えいたします。
 堅川中の詰め襟でございますけれども、標準的なものではございませんで、いわゆる海軍型と呼ばれる前ホック式のデザインとなっておりまして、デザインの違いが値段の差となっております。
 一方セーラー服でございますけど、堅川中は一般的な標準的なものなんですけど、ほかのセーラー服を採用する3校が補強のために縫い込みをやっておりますので、詰め襟とは逆に堅川中が最も安いものとなっております。詰め襟、セーラー服の確保はそれほど金額的な違いはないものと考えております。
 なお、女子のブレザー、これはⅡ型と呼ぶようにしているんですけど、ブレザーにつきましては吾嬬二中が錦糸中と比較して高いという理由でございますけれども、使用している生地の構成、ウールとポリエステルの割合が値段の差となっているということでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 各学校で標準服の仕様に違いがあるのは分かります。ただ、中学は義務教育で家庭によっても収入は大きく違います。家庭の負担を考えて、なるべく安くするのが基本だと思います。
 高い理由に、一人ひとりの生徒の寸法を取ってオーダーメイドで作っていることがあります。最近では大人でもオーダーメイドでスーツを作る人は少ないです。学校では注文する数が少ないですから、オーダーメイドになります。学校が細かく仕様を決めて注文するのではなく、教育委員会が詰め襟とブレザーの仕様を決めてまとめて注文すれば安くなると思います。

◎学務課長(西村克己) 
 標準服の購入でございますけれども、学校の公費の会計とか私費の会計で対応するものではございませんので、教育委員会から販売店に対して直接価格交渉をしたり、指示とか指導ということを行うものじゃございませんけれども、公立中学校におきます制服の取引に関しましては、平成29年に公正取引委員会の報告がございまして、その趣旨からも可能な限り複数の事業者の販売を促進して競争させていくことは、保護者負担の軽減からも望ましいと考えておりますので、学校には改めて複数事業者、新規参入事業者を誘引するようにと指示をしてまいります。

◆委員(井上ノエミ) 
 一番値段の安い学校に合わせて、各学校でも業者と交渉して少しでも安くしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

◎学務課長(西村克己) 
 調べた限りでは、学生服の販売事業者が少なくなってしまったという経緯もありまして、実態として一つの事業者のみでその学校の販売を請け負っているという事例もございますので、先ほど答弁申し上げましたように、教育委員会から保護者負担の軽減からも複数の事業者で競争するように、そこで値段を下げていくようにということで改めて指示してまいります。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、かばんですが、両国中学校が一番高くて1万2,650円です。一番安いのは桜堤で6,600円です。また、トレーニング服に関しても高い学校では1万1,660円です。一番安い学校では7,810円です。これらの金額の差はどうしてなのか、なるべく安いものにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

◎学務課長(西村克己) 
 まず、なぜ差がついてしまったかということでございます。かばんでございますけれども、桜堤中はサブバッグの購入を特に求めていないことから、ほかに比べて安くなっています。あと本所中はサブバッグの購入が選択になっております。両国中の場合でございますけれども、学校の名前が入った校名入りの大小一組のバッグというのが学校指定となっておりまして、ほかの学校のものよりも生地が厚く、サブバッグもほかの学校と比べますと大きなものになっていますので、値段が少々高めになっております。
 学校の指定する商品につきましては、各校に特色がございまして、値段に少々ばらつきは出てしまいますけれども、標準服と同様に保護者負担をなるべく減らせるように努力してまいりたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 墨田区ではかばんの製造は大事な産業です。学校でも地元の製品を使っていただければいいと思います。ただ、家庭の負担が大きくても困ります。家庭の負担にならないようにしていただきたいと思います。
 次の質問ですか、足利市のNPOくらしの会では制服リサイクルバンクという事業をやって標準服をリサイクルしています。標準服を購入するのが難しい家庭には、リサイクルした制服を提供することを積極的にやってもらいたいと思います。墨田区の学校でもPTA活動の一つとして、卒業生に使った制服を寄付してもらっているようですが、役に立っているのでしょうか、お伺いします。

◎学務課長(西村克己) 
 現在でも各校におきまして、主にPTAが主体となりまして譲渡、あるいは貸与という形でリサイクルを実施しているところでございます。経済的な事情で標準服の購入が困難なご家庭のほか、あとズボンですけど、ズボンは消耗が激しいものでございますので、予備が欲しいというご家庭もございます。様々なニーズがございますので、一定の効果は得られていると考えております。
 ただし、現状では学校間で取組に差異があることやリサイクル制服が集まらないという問題、あるいはリサイクルを利用する生徒は生活が困難なんだという見方をされないような配慮も必要であるため、資源節約、ごみ減量という環境問題への関心というところからもPRして、運営してもらいたいと考えておりますし、その旨を説明してまいりたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 足利市の制服のリサイクルも市民と行政が一緒になって活動して初めて成功しているようです。コロナの影響で多くの家庭が大変厳しい状況になっていますから、義務教育における家庭の負担を真剣に考える必要があると思います。
 次に、135ページの中学生海外派遣事業費について伺います。
 この事業は私も毎年報告会に参加していますが、参加した生徒の英語力が大変上がっています。特に発音が大変よくて、使える英語を身につけていると思います。参加した生徒が各学校での英語の授業で他の生徒にもよい影響を与えていると思います。それだけに、昨年はオーストラリアに行けず大変残念でした。来年度の予算はオーストラリアに派遣するための予算だと思います。しかし、現実には今年の夏の訪問は難しいかなと思います。いつ頃までに派遣の実施を決める予定でしょうか、伺います。


◎指導室長(加藤康弘) 
 海外派遣に当たりましては、オーストラリアの感染状況によってホームステイ先との調整や渡航に対する様々な課題があります。そこで、派遣するかどうかの決定は4月上旬頃に予定したいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 昨年はオーストラリアではなく、福島県のブリティッシュ・ヒルズで幾つか研修をやりました。私もオンラインで参加者の発表を聞きましたが、それなりに成果はあったと思います。ただ、5日間は短いですから、今年オーストラリアに行かない場合には是非10日間程度の検証を考えていただきたいと思います。ご見解をお願いします。

◎指導室長(加藤康弘) 
 もしも海外ではなく国内になった場合ということですが、10日間国内の英語体験で学ぶという、その内容が妥当かどうかということと、それからコロナ禍に10日間連続での宿泊が可能かというスケジュール面も含めて、内容と施設の状況を見極めながら検討していきます。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、235ページの学力向上「新すみだプラン」推進事業費について伺います。
 墨田区学力向上3か年計画では、教育委員会や学校の先生方の努力で子どもたちの学力が大きく上がっていることに大変感謝します。特に算数、国語では大きな成果を上げています。小学校では読み、書き、そろばんと言いますが、社会に出てからも必要とされるのが国語と算数です。また、国語と算数は積重ねですから、学年ごとにしっかり習得しなければなりません。国語と算数の基礎力をしっかり養成していただきたいと思います。
 また、教育委員会では子どもたちの思考力、判断力、表現力を重視していると思います。小学校での理科と社会に関しては、暗記をすればテストの点数は上がると思います。基本的な知識は必要ですが、考えるための構想力をつけることが大事だと思います。あまり点数にこだわらないでもいいと思いますが、どのように考えますか、伺います。

◎すみだ教育研究所長(石原恵美) 
 理科、社会に関しましても、他の国語や算数の教科と同様、基礎力を定着させていくことが非常に重要です。その上でいろいろな自分の考えを持っていくものだと思います。現在、思考力を問われるような問題になってきていますので、単に暗記力だけでは駄目だというふうになってきております。ですので、今まで同様基礎の定着を図ることを重要視し、その力を基礎として自分で考える力、表現する力を伸ばしていくようにしたいと考えております。このような取組をすることで、結果として点数につながっていくものと考えます。
 学力が向上することで、子どもたちの将来の進路選択の可能性を広げて、自ら未来を切り開き、夢や希望を実現することにつながっていきますので、引き続きこのような視点により学力向上を図っていきます。

◎学務課長(西村克己) 
 先ほどトレーニング服の値段の差についてのご答弁が漏れてしまいました。
 高い学校、これは錦糸中学校なんですけれども、これは服に特注で刺しゅうを入れておりまして、値段が高くなってしまっていますけれども、現在錦糸中学校では体操服の価格の見直しを行っておりまして、保護者負担の軽減に配慮して、業者との価格交渉を近々行うということで対応しております。

○委員長(田中邦友) 
 以上で新しいすみだの質疑を終了いたします。